女性おひとり参加限定食事会「カッチェル」

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長崎市内、中島川にかかる眼鏡橋のほとりに小さな喫茶店があった。



保険会社のOLだったシンシアは、仕事が終わると、仲間とよくその喫茶店に行った。

4人の仲良しは、いつも誰かが失恋したとか、
何で長崎にはいいオトコがいないんだとか、
どうでもいいような事をペチャクチャ喋っていた。

どん底まで落ち込んだ時でも、マスターは言った。

4人いれば4人が4人とも幸せな事はない。
4人いれば4人が4人とも不幸な事もない。

友達が不幸せになったら
あとの3人で慰めてあげたらいい。

友達がシアワセになったら
あとの3人も幸せな気持ちになってあげたらいい。

順ぐりやかね。（順番じゃないの）
と。

喫茶店には、膝掛けが備え付けてあった。
中島川を見ながら、ぼんやりと過ごす。
そんな時、
マスターの膝掛けがとても温かかった。

珈琲にまつわるエッセー募集で、秋田の時、マスターの事を書いた。
題は「パンダの膝掛け」
優秀賞を頂いた。
賞金10万円で、長崎に帰省した。

今、マスターはいない。
台風の夜、屋根に登って足を滑らせた。
らしい、としか言いようがない。
朝、中島川で亡くなっていた。

あのマスターの優しい笑みに助けられた
OL4人組は何とかこの世で生きています。

彼の喫茶店がどうなったか、
はっきり確認するのを避けている。

でも、
シンシアの思い出の中に、あのパンダのようなずんぐりとした体と温かい笑顔はいつまでも消えないで残っている。

カッチェルに参加する女性の中にも、
大切な人を亡くした人もいる。

ケラケラ笑っている内側に悲しみを秘めている人もいる。

吐き出す事で、軽くなる人もいる。

ひとときでも、そのつらさを忘れたくて、敢えてカッチェルでは言わない人もいる。

「何でシンシアさんに言っちゃったんだろう」と不思議がりながら打ち明けてくれる人もいる。

どんな関わり方でもいいんじゃない？
あなたが
あなたの思うような関わり方で。

笑顔、
泣き顔、
困った顔、
どれもあなた自身でしょ。


たったひとつのたからもの　小田和正
http://www.youtube.com/watch?v=5a3ahoLXTuM&feature=related

あなたにプレゼント。



中島川護岸にあるハートストーン

グラバー邸、園内の石畳にもあるよ



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タグ ：小田和正眼鏡橋おばちゃま女子会ご馳走ランチカッチェル

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Posted by シンシア at 15:54│Comments(2) │長崎

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この記事へのコメント

シンシア様

素敵な回答をありがとうございます。
黄さんのこと、そのうちに病院へお見舞いに行ってみようかな！

最近、ご主人を亡くしたり闘病を支える友人が続出で、どんな関わり方をすればよいかと思い迷っている時でした。わたしの思うような関わり方でいいんですよね。

いくつになっても、他者の意見を取り入れて向上できる人間でありたい！

なでしこジャパン、優勝万歳！！
にわかファンになったメイたんのママでした。

Posted by メイたんのママ at 2011年07月18日 09:28

メイたんのママさん。

同窓会行くと
「えっ？あの人が」
と訃報を聞いてショックを受ける事も。

きんさんぎんさんの
きんさんが亡くなった時、ぎんさんが普段と変わらぬ調子で喋っているのにショックを受けました。
でも
100才を過ぎて行きていれば、悲しい別れもたくさん経験して来ているんだと思い直しました。

長崎には精霊流しというお盆行事があります。
さだまさしが歌う静かなイメージとは全然違う、
耳栓なしにはいられない騒々しさです。
でも、船を引く人達にとっては、
限りなく静けさを感じる、魂送りの行事です。

一昨年、その船の先頭にセンパイの顔写真を見て、
溜息をついたシンシアです。

たいせつな人をなくした人には
ただ寄り添ってあげるだけでも、
構わないとシンシアは思います。

なでしこジャパン観戦後、ソファで意識を失っていたため、
パソコンに触るのが遅れました。

Posted by シンシア at 2011年07月18日 14:11

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